
女性採用に力を入れる理由
パフォーマンスチューニングの専門企業
株式会社Spelldataの代表取締役社長である竹洞陽一郎です。
Spelldataがどうして女性の採用や、女性のキャリア形成・構築に力を注いでいるのか、説明します。
データ分析で理解する雇用の理想
独立行政法人経済産業研究所の「雇用の流動性は企業業績を高めるのか:企業パネルデータを用いた検証」
- 採用状況については、中途採用を実施している企業ほど離職率が高い
- 新卒採用の応募が量的に多い企業や質的によい人材が確保できている企業ほど、離職率や中途採用率が低くなっている
- 新卒3年定着率が高くなるほど、離入職率が低くなる傾向がある
- 労働時間が長くなるほど、また、大卒比率が低くなるほど、離職率や中途採用率が高くなる傾向がみられる
- 新卒採用者が1人前に仕事ができるまでの人材育成期間が半年未満と短い企業やOffJTを実施していない企業、能力開発費が小さい企業などで離入職率が高くなっており、人材育成と離入職率に強い関係性がある
- 配置転換の頻度が3年未満に1度程度と回答している企業で離入職率が高くなっており、企業内での流動性と離入職率に相関がある
- 関連会社の紹介による採用が多い企業では離入職率が低い一方で、学校や情報誌・インターネットを通じた採用が多い企業の離職率が高くなっている
- 採用時の処遇を年齢や学歴で決めている企業では離入職率が低くなっている
- 女性比率が高くなるほど離入職率が高い
- 売上高経常利益率が高いほど離入職率が低くなっている。
離職率が高い傾向になる企業
- 規模が小さい企業
- 情報通信業・その他(サービス業など)の業種
- 大卒比率が低い企業
- 非正規雇用比率が高い企業
- 正社員女性比率が高い企業
- 労働時間が長い企業
- 人材育成期間が短い企業
- 配置転換頻度が高い企業
売上高経常利益率
- 離職率が低すぎたり中途採用率が新卒採用率よりも低すぎたりすると、企業内の人材の活性化が遅れるなどして利益率が低下する
- 離職率が高すぎたり中途採用が多すぎたりすると、調整費用が嵩むなどして利益率が低下する傾向がある
- 売上高経常利益率が最大になる離職率を計算すると 19.4%
企業の累計による分析
- 「タイプ A」
- 定着率が低く、メンタルヘルスが悪く、年功的な賃金体系で、教育訓練の重視度合いが相対的に低いといった特徴がある。また、離職率や中途採用のウエイトが比較的大きく、企業規模が小さいのも特徴的といえる。
- 「タイプ B」
- 定着率は中程度で、メンタルヘルスは悪く、年功賃金の割合が非常に小さいものの、教育訓練は重視している特徴がある。また、これらの企業では離職率は高く、中途採用も活用しているほか、非製造業の割合が多い。
- 「タイプ C」
- 定着率が高く、メンタルヘルスがよく、年功賃金の割合が中程度で、教育訓練を重視しているといった特徴を共有している。離職率や中途採用の活用度合いが低く、製造業の割合が若干高いことや利益率が高いことも特徴といえる。
流動性が相対的に高いタイプ A やタイプ B の企業に対して、タイプ C の企業はいわゆる日本的雇用慣行型と特徴づけることができる。
また、タイプ B に比べるとタイプ A は定着率がより低く、教育訓練を重視していないという点で、いわゆる「ブラック」企業のような特徴があると解釈できる。
なお、タイプ A は年功的な賃金体系の要素が強くなっているが、雇用の流動性が高い状況では年功賃金体系を設定することで、昇給による人件費増加を抑えることができるという意味で、「ブラック」企業の特徴と整合的と考えることもできる。
一方、タイプ B は、総合的に見てタイプ A とタイプ C の中間で、特徴としては成果主義の度合が強いタイプと位置付けることができる。
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IT業界、特にWeb関係については、人材流動性