目指すは国家資格「技術士」:世界基準でキャリアを再定義する


著者: 竹洞 陽一郎

日本のIT業界には、一つの懸念すべき傾向があります。
それは、プログラミングスクールで数ヶ月学習し、仕様書通りのコーディングができるようになっただけで、誰もが等しく「エンジニア」と呼称されてしまうことです。
しかし、本来「エンジニア」とは、工学的な専門知識を持って社会課題を解決する高度な専門職を指します。
株式会社Spelldataでは、曖昧な自称ではなく、明確な裏付けのあるキャリアを築いてもらうために、最終的に国家資格である「技術士」の取得を目指すロードマップを提示しています。

技術者の国際基準:IEAとJABEE

世界的には、技術者の資質を保証するために以下の組織が重要な役割を果たしています。
私たちのキャリアパスは、これらの国際基準に準拠しています。

IEA (International Engineering Alliance)
国際エンジニアリング連合。
国境を越えてエンジニアの質を保証し、資格の相互承認を行うための国際的な枠組みを管理する組織です。
JABEE (Japan Accreditation Board for Engineering Education)
一般社団法人 日本技術者教育認定機構。
日本の技術者教育プログラムが国際的な水準(IEAの基準)を満たしているかを審査・認定する団体です。

Spelldataの10年ロードマップ

私たちは、社員が「日本のなんとなくのエンジニア」で終わるのではなく、世界に通用する実力を持つことを望んでいます。
そのために、10年かけて以下の3段階を登る育成方針をとっています。

最初の3年:テクニシャン(技能者)を目指す
対応:ダブリン協定レベル
まずは基礎を徹底し、正確な計測やデータ収集、基本的なコーディングを行える技能を身につけます。
仕様書通りに正確に実装できるスキルは重要ですが、これはまだ「エンジニア」への入り口です。
次の3年:テクノロジスト(技術専門家)を目指す
対応:シドニー協定レベル
自分の専門分野(Webパフォーマンス、メールセキュリティ、ネットワークセキュリティ、統計解析など)を決め、技術を自律的に選定・活用できるレベルを目指します。
理論を実務に応用し、特定の技術領域におけるスペシャリストとなります。
最後の4年:エンジニア(工学者)を目指す
対応:ワシントン協定レベル
技術を手段として使いこなし、顧客のビジネス課題や社会的な課題を解決する「問題解決者」としての完成を目指します。
そしてこの段階の集大成として、国家資格「技術士」の取得に挑戦します。

最終目標:国家資格「技術士」への挑戦

「技術士(Professional Engineer)」とは、技術士法に基づく日本の国家資格であり、科学技術に関する高度な専門的応用能力を備えていることを国が認定するものです。
医師や弁護士と並ぶ、技術者にとっての最高峰の資格の一つと言えます。

Spelldataが技術士取得を推奨する理由は、それが単なる「ハク付け」だからではありません。
技術士は、IEAの「ワシントン協定」と同等の水準として国際的に認識されており、APECエンジニアなどの国際資格の基礎ともなります。
つまり、技術士資格を持つことは、あなたが「世界レベルのエンジニア」であることを客観的に証明することになるのです。

言葉の定義が未来を変える

「コーディングができるからエンジニアだ」と安易に考えていると、技術の自動化やAIの進化によって、単なる作業者(テクニシャン)の仕事は代替されていく可能性があります。
しかし、工学的な知見を持ち、高度な応用能力を持つ技術士の価値は揺らぎません。

Spelldataは、あなたの10年後の市場価値に責任を持ちたいと考えています。
曖昧な「エンジニア」ではなく、国が認め、世界が認める「技術士」を目指して、私たちと共に歩みませんか。