日傘で紫外線を避ける

紫外線を避けて「夏籠り」しませんか?


著者: 竹洞 陽一郎

はじめに

地球温暖化の影響に伴い、年々、各地で最高気温が更新されています。
夏は健康的な季節のイメージがありますが、環境の変化により、リスクが増大しています。
従業員の健康と事業継続性を考慮し、「冬籠り」ならぬ、「夏籠り」を提案します。

「冬籠り」とは、「人や動物が冬の寒い間、家・巣・土の中などにこもって過ごすこと」を意味します。
「夏籠り」は一般的には「げごもり」と読み、「僧が夏の期間、外出せずに一か所に籠って修行をすること」を指します。

今回提案する「夏籠り」は、その原義とは異なり、「健康のために年々増えている夏の紫外線や高温を避けて室内に籠る」ことを指します。

年々増大する紫外線量

皆さんは、年々、紫外線量が増大していることをご存じでしょうか?
紫外線は太陽から地球に到達する放射線の一部で、その量は季節や時間、天候、地球のオゾン層の状態によって変動します。
適度な量の紫外線はビタミンDの生成を助けるなどの役割を果たしますが、過剰に浴びると健康に悪影響を及ぼします。

環境省の「紫外線環境保健マニュアル」では、UVインデックスが8以上の場合、日中の外出を控えるなど特に配慮が必要としています。
気象庁のデータでは、日最大UVインデックス8以上の日は、観測を開始した1990年以降増加傾向にあり、10年あたり11日増えており、年間で60日まで増えています。

つくばの日最大UVインデックスが8以上の年積算日数の経年変化グラフ
つくばの日最大UVインデックスが8以上の年積算日数の経年変化
出典 - 気象庁 | オゾン層・紫外線の診断情報 | 紫外線の経年変化

日々のUVインデックスは、国立環境研究所が運営している有害紫外線モニタリングネットワークの速報値で確認できます。

有害紫外線モニタリングネットワークの速報値画面例
有害紫外線モニタリングネットワークの速報値

紫外線による人の健康への影響

紫外線は、人の健康に以下のような影響を与えます。

急性

  • 日焼け(サンバーン、サンタン)
  • 紫外線角膜炎(雪目)
  • 免疫機能低下

慢性

  • 皮膚
    • シワ(菱形皮膚)
    • シミ、日光黒子
    • 良性腫瘍
    • 前がん症(日光角化症、悪性黒子)
    • 皮膚がん
    • 白内障
    • 翼状片

通勤時間の削減が最大の防御

多くのビジネスパーソンにとって、最も紫外線を浴びてしまうのは「通勤」と「ランチタイム」です。
気象庁のデータによると、紫外線は正午をピークに、午前10時から午後2時頃まで強い状態が続きます。
しかし、朝の8時や9時の通勤時間帯であっても、夏場はすでにUVインデックスが「中程度」以上に達していることが少なくありません。

完全在宅勤務(フルリモートワーク)であれば、このリスクを物理的に遮断できます。
日傘や日焼け止めで防ぐ努力も大切ですが、「そもそも浴びない」ことが最も確実な対策です。

健康経営とパフォーマンス維持

Spelldataが「夏籠り」を推奨するのは、単なる個人の美容や快適さのためだけではありません。
これは、従業員の長期的な健康と生産性を守るための「健康経営」の一環です。

特に注目すべきは、目から入る紫外線による「脳疲労」です。
紫外線によって角膜がダメージを受けると、脳内に疲労物質が分泌され、集中力や判断力の低下(パフォーマンスダウン)を招くことが研究で明らかになっています。
知的労働において、脳のクリアな状態を維持することは、品質管理の生命線です。

データのプロフェッショナルとして、サーバーの負荷だけでなく、私たち自身の生体リスクもデータ(UVインデックス)に基づいて管理し、回避する。
これが、Spelldataの考える合理的で持続可能な働き方です。

室内でも油断大敵:UVA対策

在宅勤務であっても、一つだけ注意しなければならない点があります。
それは、窓ガラスを突き抜けてくる「UVA(紫外線A波)」の存在です。

UVB(紫外線B波)
日焼け(サンバーン)の主な原因ですが、窓ガラスで大部分がカットされます。
UVA(紫外線A波)
波長が長く、雲や窓ガラスも透過して皮膚の奥深くまで届き、シワやたるみの原因となります。

効果的な「夏籠り」のためには、以下の対策を組み合わせることが推奨されます。

夏籠りと健康管理のバランス

紫外線を避けることは重要ですが、日光には体内でビタミンDを生成し、骨を丈夫にしたり免疫機能を調整したりする役割もあります。
完全に日光を遮断し続けると、ビタミンD不足になるリスクがあります。

そこでおすすめなのが、「早朝の散歩」です。
紫外線がまだ弱い朝の時間帯(6時〜7時台など)に少し外を歩くことで、概日リズム(体内時計)を整えつつ、安全に気分転換ができます。
Spelldataでは、パフォーマンスを最大限に発揮するために、このようなメリハリのある生活習慣も推奨しています。

Spelldataでは、プロフェッショナルが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、合理的な根拠に基づいたワークスタイルを尊重しています。
無駄な消耗を避け、そのエネルギーを「学習」と「創造」に投資する。
そんな「夏籠り」ができる環境で、あなたのキャリアを磨いてみませんか?