「私でも働けますか?」という発言が、採用の現場でどう受け取られるか
著者: 竹洞 陽一郎
採用担当者が「採用を躊躇する」瞬間
結婚や出産を経て、再び社会に出ようとする女性から頻繁に受ける質問があります。
「ブランクがある私でも働けますか?」
厳しいことを言うようですが、この言葉を聞いた瞬間、採用担当者の心には「この人はプロとしてやっていけるだろうか?」という強い懸念が生じます。
なぜなら、その言葉の裏には「自信のなさ」だけでなく、「会社に何かを期待し、依存する心理」が見え隠れするからです。
特に当社が扱う「統計的品質管理」や「データ分析」の領域は、事実に基づいた論理的な判断が求められるシビアな世界です。
「私でも大丈夫ですか?」と他者に許可を求める姿勢のままでは、クライアントの重要な課題を解決することはできません。
「自信がない」は言い訳にならない
もちろん、長期間社会から離れていたことによる不安は理解できます。
IT技術の進歩は速く、かつての常識が通用しないかもしれないという恐怖心もあるでしょう。
しかし、その不安を「私でも働けますか?」という問いに変換して相手に委ねてしまうのは、自分のキャリアに対する責任放棄とも捉えられかねません。
厳しい現実として、会社は「自信がない人を励まし、自信をつけさせる学校」ではありません。
「今は自信がないが、学習によって必ず成果を出す」という覚悟がある人が、結果として自信を手に入れていくのです。
私たちは、そのプロセスを全力で支援しますが、最初の一歩を踏み出すのはあなた自身でなければなりません。
家庭という「修羅場」で培った論理的思考
自信がないと言う方に気付いていただきたいのは、あなたが家庭で積み重ねてきた経験の実用性です。
育児や家庭運営は、限られたリソース(時間・予算・体力)の中で最大の成果を出すことを求められる、高度なマネジメント業務です。
私たちは、この経験を単なる「主婦業」ではなく、「実務能力」として高く評価しています。
- 自律的な判断力
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子どもの急病、突発的なトラブル、家計の管理。
家庭内では、誰かの指示を待つのではなく、状況を観察し、自ら判断して行動してきたはずです。
この「観察・判断・行動」のサイクルこそが、エンジニアに最も必要な資質です。 - 耐性と適応力
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言葉の通じない乳幼児と向き合い、忍耐強く育成し、関係を構築してきた経験。
それはビジネスにおける粘り強い解析作業や、チームビルディングに直結する強靭な精神力です。
その経験値は、本来もっと誇ってよいものです。
求められるのは「Give」のマインドセット
「私でも働けますか?(=私を受け入れてくれますか?)」という「Take」の姿勢から脱却してください。
必要なのは、「私の経験やこれから学ぶ技術で、会社に貢献します」という「Give」の姿勢です。
ブランクがあろうが、未経験であろうが、このマインドセットを持っている人であれば、技術的な遅れは教育制度を活用してすぐに取り戻せます。
当社は充実した教育リソースを提供していますが、それは「教えてもらうのを待っている人」のためではありません。
「自ら学び取り、価値を生み出そうとする人」が最速で成長するための武器です。
「私でも働けますか?」と聞くのをやめ、「私はここで、プロになりたい」と宣言してください。
まとめ
採用面接は、会社があなたを値踏みするだけの場ではありません。
あなたが「自分の人生をどう経営していくか」を提示する場です。
過去のブランクを弱点として隠すのではなく、これからの成長への投資材料として提示してください。
私たちは、依存する人ではなく、共に考え、共に戦う仲間を求めています。
その覚悟が決まった時、ぜひ当社の扉を叩いてください。
その時初めて、私たちは対等なビジネスパートナーとして向き合うことができるでしょう。