給与の原資はどこから来るのか
著者: 竹洞 陽一郎
求人票の給与欄を見て、その金額がどこから出てくるのかを考えたことはあるでしょうか。
給与は会社が善意で決めるものではありません。
売上から逆算されるものです。
Spelldataがどう逆算しているかを、数字で公開します。
年収の上限は、業種と事業モデルで決まります
労働生産性とは、一定の期間に労働者一人あたりが生み出す付加価値のことです。
付加価値を労働投入量で割って求めます。
この数字には、業種による上限があります。
人が直接手を動かす必要がある仕事は、物理的な時間の制約を受けるためです。
一人が1日に対応できる件数には限りがあり、それが売上の天井になります。
ソフトウェアの場合、作ったものは動かし続けている限り価値を生みます。
一人が書いたコードが、寝ている間も稼働します。
だからIT業界は労働生産性を上げやすい、というだけの話です。
そこにいるだけで給与が上がるわけではありません。
フロー型とストック型
IT業界の中でも、事業モデルによって積み上がり方が違います。
- フロー型(受託開発、SESなど)
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プロジェクトが終われば売上はゼロに戻ります。
翌年また同じだけの案件を取らなければ、前年並みの売上になりません。 - ストック型(SaaS)
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契約が続く限り、売上は翌年も残ります。
前年の売上をベースに、新規契約が上積みされます。
Spelldataが提供しているSpeedData、PerfData、MailDataは、いずれもストック型です。
毎年ゼロから積み直す必要がないため、生産性を積み上げていけます。
ただし、これは解約が起きないことが前提です。
解約されれば、積み上げてきたベースがそのまま削れます。
だから当社は、ツールを売って終わりにせず、サポートの品質と応答速度に人を割いています。
現在まで、解約はほとんど発生していません。
Spelldataの計算式
当社では、次の式を目標売上の基準として使っています。
希望年収 × 10 × 従業員数 = 会社全体の目標売上
なぜ10倍かというと、売上のすべてが給与になるわけではないからです。
計測センターの回線費用、サーバー費用、仕入れ、社会保険料の会社負担分、法人税。
これらを差し引いたうえで、事業を継続できる水準を保つと、この比率になります。
これは個人のノルマではありません。
営業以外の職種が、自分個人の売上貢献を正確に算出することはできませんし、大きな成果はチームの協力があって初めて生まれます。
会社全体で達成すべき目標として共有しています。
従業員7名で当てはめると、次のようになります。
- 全員が年収500万円 → 500万円 × 10 × 7名 = 3億5,000万円
- 全員が年収1,000万円 → 1,000万円 × 10 × 7名 = 7億円
現在地を正直に書きます
2025年8月期の年商は1.8億円、従業員は7名です。
一人あたり約2,500万円になります。
この数字を10で割ると、約250万円です。
一方、当社の給与下限は月給27万2,000円で、在宅勤務手当1万円を加えると年約340万円になります。
つまり現時点では、給与が売上に先行しています。
10倍の式を満たしているわけではありません。
広告費をかけず、営業活動もせず、オフィスの維持費も最小限に抑えているため、この状態を維持できています。
ただし、この形のままでは年収1,000万円には届きません。
一人あたり売上を1億円に近づけていく必要があります。
これは全員に約束するものではありません。
しかし、目標として掲げている以上、現在地との差も同じように公開しておくべきだと考えています。
差を埋めるために投資していること
- 業務時間内の学習
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業務時間中の午前3時間を学習時間に充てています。
年間で約700時間、2019年に始めて現在も続いている制度です。
これは福利厚生ではなく業務です。
サポートの品質と応答速度が解約率を決め、解約率がストック型の積み上げを決めるからです。 - 技術による自動化
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生成AIを含め、作業時間を短縮できる技術は積極的に導入しています。
人手でやっていた作業を減らした分を、判断が必要な業務に回します。 - 労働時間を増やさないこと
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長時間労働は、時間あたりの生産性を下げます。
残業時間は2025年8月期実績で月平均1時間、完全在宅勤務のため通勤時間もありません。
分母を増やさずに分子を増やす、という方針です。
まとめ
- 給与は売上から逆算されます。年収の話をするなら、売上の話から始める必要があります
- Spelldataは「希望年収 × 10 × 従業員数」を会社全体の目標売上としています。個人のノルマではありません
- 2025年8月期の一人あたり売上は約2,500万円で、10倍の式はまだ満たしていません。給与が先行している状態です
- 目標である一人あたり1億円に近づけるために、学習時間と自動化に投資しています
この計算式を知ったうえで応募していただきたいと考えています。
給与がどこから来るのかを理解している人と、そうでない人とでは、仕事の進め方が変わるからです。